朝帰りを待つ事が誇り

また夫 朝帰り?もう、疲れるから止めてよ。「いや、簡単には出来ねぇ相談かな?だってこれ、俺の意志に反し、決まっとるんだよ?」だから上司へ相談!

「出来なきゃ、クビ確定だわ。頼むから自重を…。今一度、我慢を願う次第」いつまで?

既に幾度となく、夫 朝帰りを我慢したか…心中察しつき、妻を想う気持ち一片でも有れば、直ぐにも…。

「戻り何を?のんびり飯を食え?夫 朝帰り等、本意に相反すが、喩え意志へ反そうが、会社の命を受け、行くもんだ。邪魔立てすれば、良妻賢母が取る道に非ず」

そうは申せど、御子息、子女達がいかなる想いで、待ちわびておるか。「父上はまだか?」急かすゆえに、胸痛むばかり。貴方が、夫 朝帰り等されねば。

「五月蠅い!最早、決まった事。亭主命令、言葉は絶体なり。逆らう等、愚の骨頂。非道に感じよ!さ、電話を切り、ひたすら我が戻りを待て!」

酷っ、もはや悪鬼羅刹と罵っても足りぬ。自身が悪魔に見染められた事実、呪う他ありません。